考え方:自責と他責のはなし

先日の堪え性のはなし - 真心エージェントのブログで、自責と他責のことに触れましたが、今日はそのことについて書いてみたいと思います。

 
世の中には物事の捉え方を、自分の責任として捉える人と、他人の責任として捉える人がいます。
 
後者のほうが多いように思います。もちろん僕も含めてです。堪え性があったら、転職なんてしませんし、独立なんてしてません。
 
まぁ、僕のことはさておき、転職に置き換えると、何かの不満、いやなことを会社や上司や同僚、先輩、取引先、商品、マーケットが良くないと考えるのが他責です。
 
これ、圧倒的に楽です。
 
それでも、嫌なことを言われたけどこれってなんで言われたんだろう?どうしたら言われなかったんだろう?今後はこうすればもっと上手くなるんじゃないか?とか考えるのが自責です。
 
これ結構しんどいです。
 
でも、キャリアを形成していく、仕事のできる人になる、転職で評価されやすいのはどちらかというと、言うまでもなく自責で物事を考えられるタイプです。
 
友人がとある百貨店の2人の社員の話をしていましたので、借用します。
 
都内某百貨店。某年。
4月に2人の新卒学生が地下食品部門で出会いました。デパ地下ですね。
 
1人は高学歴のキラキラした経歴の正社員A君。もう1人はFランクでアルバイトとしてすでに2年その職場で働いていたB君。
 
就職氷河期で苦しい年でした。B君頑張ったけど決まらず、学生時代から続けていたいまのバイトを継続していました。
 
さて、3年後に同年代でもっとも出世したのはどちらでしょう?
 
なんとB君でした。
 
B君はもともと慣れた職場でテキパキと仕事をします。明るくパートタイマーのおばさん達にも人気がありました。ただ、明るいからではありません。嫌なことを率先して行っていたからです。
 
クレームがあって、困っているパートさんがいればかばい、「僕が担当です。申し訳ありません!」。
 
お子様がいて、早く帰らなければいけないパートさんの事情も良く知っており、定時が近づくと、さりげなく「交代しますよ!」
 
急にお子様の発熱などでこれない時などがあると、みんなフロア長前にB君に相談するくらいでした。もちろんB君は率先してシフトの穴埋めをしてあげます。
 
一方、A君は正社員として教育を受け、店舗マネジメントという大きな枠からオペレーションの効率化などを指示するだけ。細かいパートさんの悩みは聞きません。
 
半年後、B君は一生懸命就活していましたが、なかなか良縁に出会えません。
 
ふと、フロア長に呼ばれます。
 
「B君、社員にならないか?とはいえ、契約社員だから嫌かもしれないけど」
 
B君は悩みましたが、好きな仲間もいましたし、仕事も頼られるので責任感が日々高まっていました。あと、田舎のご両親にも申し訳ない気持ちでいました。
 
結果、「受けます」と契約社員面接を受け、合格。
 
後で知ったことですが、彼を社員にしてあげてほしいとフロア長に言ったのは、普段B君を頼りにしていたパートの皆さんだったようでした。
 
契約社員になると職位が上がり、仕事も増えます。
 
売上管理、シフト管理、開店閉店処理。。。
 
B君はいつも通りテキパキとこなします。スタッフ管理も任されたので、効率の良い店舗運営もできてきました。
 
一方A君はいつもどおり。むしろ契約社員で自分より下に見ていたB君を疎ましく思う瞬間さえ出てきました。
 
自分が上だと思っていますので、同じ年のB君にもキツめの指示をしたりします。また、めんどくさいことはB君がやってくれるので、自分は必要以上のことはやりません。
 
1年半後、B君は仕事ぶりが認められ、無事正社員になりました。その年の冬には人生初のボーナスももらいました。
 
A君と大きな差がついたのは、この後です。
 
前々から進めていた店舗催事がなかなか決まらないままでしたが、フロア長がB君にも企画してみないか?と言いました。
 
契約社員になってから、同業の催事などには積極的に顔を出していたB君は、面白いアイデアをたくさん出します。
 
それが採択されました。催事企画担当として、一気にB君のつきあう方が変わります。地方の物産メーカーの社長さん、営業さん、百貨店のフロア長だけでなく、バイヤーなど、様々な方と日々打ち合わせをするうちに、B君の力は開花していきます。
 
慣れないパワポも先輩や上司に聞きながら作ります。地方の生産地などに出張なんかも増えました。もともと旅行好きなこともあり、毎日が楽しくてなりません。
 
果たして物産展は成功しました。おかげでB君は本部企画に異動になりました。
百貨店の休憩室でおばさま達とお茶をしばいて笑っていた以前から、大きく変わり、職場はオフィスになり、毎日スーツで出勤です。
 
一方A君は面白くありません。転職活動を始めました。「俺を評価してくれる会社はたくさんある!」転職サイトで応募すると、学歴も良く若いA君には内定がたくさん出ます。で、どうなったかというと転職しました。
 
ただ、うまくいきません。転職先はITベンチャーです。成長とか上場予定とか、ストックオプションとか、A君に欠乏していた承認欲求を満たすに充分な求人広告でしたが、ベンチャーは自分で課題を見つけて自発的に動ける能力のない人間には地獄です。
 
結果、A君は3ヶ月で転職先を辞めました。
 
「くそブラック企業が…」そんな心の声が聞こえそうです。
 
その後のA君の足取りはつかめていません。
 
B君は変わらずスキルを上げ、同期で最も成功しました。結婚し、お子様を2人持ち、小さいけれど念願だった家も購入しました。
 
自責タイプがB君。他責タイプがA君。
 
もちろん転職は嫌なことがトリガーになります。転職はできないことをできる環境への異動だったりしますし、当然僕は賛成です。転職しない人ばっかになったら廃業すると思います。
 
今は転職を単純にするだけなら簡単です。求人広告もたくさん出てますし、エージェントからのスカウトは毎日沢山来ますよね?これって景気が良くて有効求人倍率が高いから?
 
Noです。
 
単純に若手の労働人口自体が少ないから引く手数多なだけです。景気が良くなったとは僕は思ってません。
 
普段からのものの捉え方次第で、良い転職にも悪い転職にもなります。バブル崩壊以降、世の中は厳しい競争のままです。生き残れるキャリアを作りたいなら今からでもできます。皆さんはどちらになりたいですか?
 
真心のエージェント

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